民事事件における証拠の扱いについて

花瓶01民事訴訟において、裁判所が事実を認定するにあたっては証拠によらなければなりません。これを証拠裁判主義といって、近代国家における裁判に共通の原則です。

実は、民事訴訟法には証拠裁判主義について明確な条文がありません。しかし、民事訴訟法247条に「裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。」と定められていることや、刑事訴訟法317条に「事実の認定は、証拠による。」との規定があることなどから、民事訴訟法においても証拠裁判主義が採用されていると解釈されています。

もっとも、民事訴訟法179条は、裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しないと定めています。つまり、当事者が自白した事実や顕著な事実に関しては証拠によって立証する必要がありません。それ以外の事実については当事者が証拠によって立証する必要があります。

しかし、裁判所は不十分な証拠しかない場合にも判決をしなくてはなりません。そこで、どちらの当事者が立証責任を負うかを定めて、その責任を果たせなかった、すなわち不十分な証拠しか提出できなかった場合にはその当事者に不利益な判断をすることとしています。

なお、一般的には、権利の発生・変更・消滅を主張する当事者が立証責任を負うとされています。